遠隔操作によるパチンコの出玉操作はできるのか?

2026年06月13日

先日、あるYoutubeチャンネルの動画にて、あたかも店舗が組織的にパチンコの出玉を遠隔操作できるといった動画が公開されていました。

 

2026/05/30に公開の動画

 

これは、本当にそうなのでしょうか。
早速、考察していきたいと思います。

 

パチンコ店において「遠隔操作で出玉を操作できるのか」という疑問に対し

結論から言うと、現代の正規のパチンコ店において、特定の台の当たりやハズレをリアルタイムに遠隔操作することは「技術的には不可能ではないが、法的・経済的リスクが極めて高いため、事実上行われていない」というのが実態です。

 

かつての摘発事例や、よく誤解されがちな「ホールコンピューター(ホルコン)」の仕組みを含め、情報を分かりやすく整理しました。

 

 遠隔操作は「技術的」には可能なのか?

技術的には可能です。
ただし、これはメーカーが作った正規の状態でできるわけではなく、違法な「遠隔操作プログラム」や「不正な基板・ハーネス」を後付けで台に仕込んだ場合に限られます。

過去に警察に摘発された店では、以下のような仕組みが使われていました。

 

具体的には

不正基板の設置: パチンコ台の内部にあるメイン基板(当たりを判定するCPU)を、外部からの信号を受け付ける不正なものに差し替える。

外部PCや専用端末からの信号送信: 事務所のパソコンや、店員が隠し持つリモコンなどから電波や有線で信号を送り、強制的に大当たりを発生させたり、逆に当たりをカットしたりする。

 

過去の主な摘発事例

2000年代初頭までは、実際に遠隔操作を行って摘発された店舗が存在しました。

2004年: 人気機種に不正な基板を取り付け、パソコンと接続して出玉率を操作していたとして店長らが逮捕。

2007年: 店内のパチンコ機数十台を遠隔操作していたとして経営者やソフト開発者が逮捕。この店舗は摘発後、即座に廃業。

 

なぜ現代のホールでは行われないのか?(4つの理由)

現代の正規のパチンコ店が遠隔操作を行わない(行えない)のには、強力な抑止力とハードルが存在します。

 

① 法律による厳格な罰則と「一発取り消し」のリスク

パチンコ店は風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)に基づいて営業しています。

無承認で台の基板を改造したり、遠隔操作を行ったりした場合、即座に営業許可が取り消され、経営者は逮捕されます。

億単位の投資をして作った店舗が一瞬で水の泡になるため、割に合いません。

 

② 国家公安委員会の「型式試験」とセキュリティー

パチンコ台は、設置される前に「保通協(保安通信協会)」などの指定試験機関による極めて厳しいチェック(型式試験)を受けます。

また、台の基板には不正な電波やプログラムの書き換えを検知するセキュリティーチップが組み込まれており、外部からおかしな信号が入ると台がエラーを起こして停止する仕組みになっています。

 

③ 定期的な警察・業界団体の検査

新台を導入する際や定期検査の際には、都道府県公安委員会(実務は管轄の都道府県警察)が実際に店舗へ赴き、基板の封印シールが破られていないか、不正な配線がないかを厳しくチェックします。

 

④ 釘調整と「設定」で合法的に利益管理ができる

店側が利益をコントロールしたい場合、違法な遠隔操作をする必要はありません。

パチンコなら「釘の調整」(※厳密には法令で認められた範囲内のメンテナンス)、スロットなら「設定(1〜6段階など)」を変更することで

営業全体の平均的な出玉率(割数)を1日単位で合法的にコントロールできるからです。

 

よくある誤解:「ホールコンピューター(ホルコン)」の真実

「ホルコンで出玉を制御している」という噂をよく耳にしますが、これは明確な誤解です。

項目 本物のホールコンピューター(ホルコン) 噂される「遠隔操作システム」
主な機能 各台の売上、投入された玉数、払い出された玉数の「集計・監視」 特定の台を狙って「当たり/ハズレ」を書き換える「介入」
通信の流れ パチンコ台 ⇒ ホルコン(一方向のデータ収集) 外部PC ⇔ パチンコ台(双方向)
合法性 完全な合法設備(経営管理や不正ゴト行為の検知に必須) 完全な違法設備(風営法違反)

ダイコク電機やマースエンジニアリングといった正規の周辺機器メーカーが販売しているホルコンは、あくまで「データ管理ソフト」です。

データ上、特定の台が確率を超えて異常に出ている(または出ていない)場合に「不正なゴト行為や基板の故障が起きていないか」をアラートで知らせる機能はありますが、ホルコンから台に対して「当たりを発生させろ」という命令を送る機能は一切ありません。

 

まとめ

現代のパチンコ店において、「特定の客を勝たせる」「特定の台の当たりを止める」といったリアルタイムの遠隔操作は行われていません。

店側は、数日〜数週間単位での「釘の状況」や「設定」の平均値によって、統計学(確率通りに収束する性質)を利用して合法的に利益を得ています。

そのため、「自分が座った途端に当たりが引けなくなった」「隣の人ばかり当たる」といった現象は、遠隔操作ではなく、純粋な確率の偏り(ムラ)によるものです。

 

なお、2026年6月12日に現役パチンコ店長でもあるシャル@ツモらせ隊のYoutubeチャンネルにて、遠隔操作を否定する動画を発信されていました。
こちらの動画はとても参考になりますので、ぜひご覧ください。

 


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